第9回 加齢臭の元凶は「活性酸素」だった
中高年を悩ます「加齢臭」・・その臭いを消すにはいったどうすればよいのか?
加齢臭の元となる物質である「ノネナール」は「過酸化脂質」という物質によって作られますが、それでは過酸化脂質はどのようにして作られるのでしょうか?
過酸化脂質は皮脂の脂肪酸を「活性酸素」が酸化することによって作られています。
活性酸素という言葉はよく耳にされると思いますが、酸素が「電子」を失って不安定化したもので、他の物質から電子を奪い取って安定しようとする「酸化」力が非常に強い物質のことです。
代表的な活性酸素としては「スーパーオキサイドラジカル」、「過酸化水素」、「ヒドロキシルラジカル」、「一重項酸素」などがありますが、なかでも「ヒドロキシルラジカル」は酸化力がもっとも強く、すさまじい力で物質の電子を奪い取って破壊する凶悪な活性酸素です。
こうした活性酸素がノネナールを作る元となる過酸化脂質を作り出していたのです。このため、活性酸素が増えると、過酸化脂質も増加。ノネナールも増えて、加齢臭が発生することになります。
活性酸素は呼吸によって体内に発生するほか、食品添加物、環境汚染物質、紫外線、放射線や電磁波、化学物質、ウイルス、ストレス、激しい運動、薬品、便秘、さらには食生活や飲酒喫煙などの生活習慣など、さまざまな原因をきっかけに発生します。
その活性酸素が細胞の細胞膜の脂肪酸を酸化して有害な「過酸化脂質」に変えることで、細胞活動を低下。生活習慣病やガン、アレルギーなどの疾患を引き起こし、病気の90%は活性酸素が原因といわれるほどです。さらに、活性酸素による障害が蓄積すると、生体機能、回復力、免疫力などが衰えて、さまざまな老化現象が発生します。
こうした多くの悪さをする健康の敵「活性酸素」が加齢臭の原因にもなっていたのです。
次回はなぜ中高年だけが加齢臭を発するのかについてさらに詳しくご説明しましょう。