第8回 迫られる中高年の加齢臭対策

中高年の発する臭い匂い「加齢臭」!
若い女性をはじめとする加齢臭に対する集中砲火は燃え盛る一方で、いまや「スメハラ」(スメルハラスメント)などとさえいわれるほどです。この四面楚歌の状況で、いったい中高年はどうすればよいのでしょうか?
加齢臭への対策を立てるには、まずは加齢臭の正体を知る必要があります。前にも述べたとおり、加齢臭という言葉が使われるようになったのは資生堂による研究で臭いの元となる物質が発見されてからのことですが、いったい加齢臭の元となるのはどのような物質なのでしょうか?
加齢臭の元・・それは「ノネナール」という物質です。皮膚にある皮脂腺からは「皮脂」という脂分が分泌されていますが、ノネナールはこの皮脂から作られる物質です。皮脂腺から分泌される皮脂のうちの「9ヘチサデシン酸」(パルミトオレイン酸)が、脂肪酸から発生する「過酸化脂質」と化合して、酸化されることによって作られているのです。
加齢臭という名のとおり、加齢臭は加齢にともなって発生します。一般的に加齢臭が発生しはじめるのは40歳を超えてからで、男性はもちろん女性も無縁ではありません。40歳を超えると加齢臭が出てくる理由は、匂いの元であるノネナールの分泌量が40過ぎ頃から増え始めるためです。加齢臭に対する研究でも、40歳すぎから加齢臭が匂い始め、その後加齢にともなって発生者が増加。60代では40代の約3倍の人が加齢臭を発していたことが明らかになっています。
一方、若い男女ではノネナールはほとんど発生しません。ほんと年はとりたくないものですね。

次回は、加齢臭発生の隠れた犯人についてお話ししましょう。